ハミングバード

鷲は舞いおりたのハミングバードのレビュー・感想・評価

鷲は舞いおりた(1976年製作の映画)
4.0
 いきなり冒頭から、ユダヤ人の一般市民を連行する一向に出くわした部下率いる歴戦の英雄である大佐が、上官に逆らい「男がやる作戦では無い」とユダヤ人の少女を逃がす。ユダヤ人大虐殺の悪名高きナチスドイツにあってこの大佐が主人公の物語の始まりに期待が高まる。部下もろとも軍法会議で有罪となり無期懲役として犯罪収容所にて暮らすことになる。そんな大佐の元に、ヒットラーの気紛れ作戦であるイギリス首相のチャーチル誘拐作戦のオファーが来る。そして大佐は、可能な作戦であると判断し、この物語は始まる。アメリカとともに正義の連合軍のイギリスの抱える問題である、アイルランドのIRAの活動家演じる若きドナルドサザーランドとともに作戦を開始する。この設定だけでも十分に期待感が高まります。そして登場する兵士がドイツ軍もアメリカ軍もあの世界戦争の渦中にありながら非常に人間として兵士道を全うしようとする者が多いのもとても珍しい作品と言える。ナチスドイツ=非人道的で連合軍は正義というハリウッド的な解釈からは外れた戦争冒険活劇として鑑賞下さい。この原作小説は未読ですが、兵士としての尊厳やプライドを表現したかったのではないかと感じる。お薦めの名作です。
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