ジョジー

喜望峰の風に乗せてのジョジーのレビュー・感想・評価

喜望峰の風に乗せて(2018年製作の映画)
3.6
『博士と彼女のセオリー』のジェームズ・マーシュ監督で、コリン・ファースが主演ということで、楽しみにしてました。事実に基づく物語だから、事前に調べることもできるけど、しなかったんですよね。
最近は予備知識なく映画を観ることが多いんですが、それが功を奏する時もあれば、そうでない時もあるって身を持って感じています。
以前ならヨットで世界一周と聞いただけで、三半規管弱いし怖いシーンもあるだろうと絶対観に行ってなかったですよ。コリン・ファース目当てで足を運んだのですが、そんな下心しかない状態で軽々しく観る映画ではなかったかも。
邦題しかチェックしてなかったです。原題は『THE MERCY』だったんですね。邦題とポスターがすごく爽やかな印象だから本編とのギャップがあり過ぎというか(^^;)
ドナルド・クローハーストは、週末だけヨットに興じるような素人にもかかわらず、単独無寄港世界一周にチャレンジしてしまいます。経験豊かでも無謀なレースなのに、普段はビジネスマンをしてるような人が挑んでしまうなんて…
美しい妻クレアと可愛い3人の子どもたちを残し、あまりにも過酷な航海に準備不足のまま出てしまったドナルド。窮地に追い込まれるも、町の人たち、そしてスポンサーやメディアなど、大きな期待をかけられて、ある過ちを犯してしまいます。そして、戻ることも前に進むこともできず、じっと耐えるんですが…
家族はお金や名声なんてどうでも良かったに違いなく。クレアのドナルドを想う気持ちが痛いほど伝わってきました。終盤のクレアから子どもたちへの言葉と、幸せな家族のホームビデオ映像が印象的です。
後味は良いとは言えないけれど、観なければ良かったとは思わないです。コリン・ファースが心身ともに限界を迎えていくドナルドを熱演していますし、レイチェル・ワイズが彼を支える良き妻で3人の子どもたちの良き母を好演しています。このふたりをスクリーンで観れただけでも私は良かったです。
ただ、万人受けするような感動ものではないような気がするので、楽しい映画を観たい方にはおススメできないかな。
私にしてはちょっと辛口の感想になってしまいましたが、海の脅威を感じるとともに、穏やかな海はとても美しかったです。これも後からじわじわくる作品なのかもしれません。
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