柏エシディシ

未知との遭遇 特別編の柏エシディシのレビュー・感想・評価

未知との遭遇 特別編(1980年製作の映画)
4.0
爆音映画祭@新宿ピカデリーにて
もう映画必修科目たる本作に関しての余計な説明は不要かと。
「映画とはサスペンス」だと定義するならば、その天才たるスピルバーグの妙技が炸裂し、歓喜とも畏敬とも恐怖とも言いしれぬ得体のしれない感動に震えるしかない映画史上に残る傑作。

で、今回の爆音映画祭。ベイビードライバーやアトミックブロンド、バーフバリ2作など、割と近年の爆音映えしそうな作品群の中で異色といいセレクトでしたが、鑑賞後納得。

無音から一気にSEが立ち上がり、スピーカーの間で暴れまわる砂嵐のサウンドに巻き込まれるように作品世界に没入していく開幕から、
マザーシップ登場の際の低い唸り声の様な地響きと空気を震わせる音のリアリティに慄き、「星に願いを」が差し込まれるジョンウィリアムズの会心の劇伴に圧倒されて終幕!(そう。星に願いをのメロディが聴けるのこの「特別編」だけ)
映画体験としての「未知との遭遇」が完全に更新されました。

スピルバーグ個人の思いが色濃く投影された「ピノキオ」「星に願いを」に込められたメッセージはいい大人になってからの方が沁みますねw
マザーシップの中を描くのは明らかに蛇足だと今は思いますが、このバージョンが初めて触れた「未知との遭遇」なだけに、自分にとっては「特別」です。
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