かなりレベルの低い短編ホラー作品。
あらすじ
ある田舎の一軒家。小学生のアヤは、友達のミナミの家に泊まりに来ていた。
そこでアヤは、ミナミの妙な行動に気づく。
次第に、自分が知らない、その家独自の雰囲気を感じ始め・・・。
作品のレベルとしては、夏のゴールデン帯に特番として放送するのと同じレベルなので、微塵も怖くない。
本作はジャンプスケア(唐突に大きな音で驚かせる演出)をメインに恐怖を演出しようとしている。
ジャンプスケアは視聴者が予期せぬ時に使うとかなりの効果が得られるのだが、逆に来るのが分かっていると殆ど効果が得られない。
本作はどれに当たるかというと完全に後者だ。
普段ホラー映画を見慣れていない人でも先を読める所か、全然映画やテレビを観ない人でも読めてしまう。
例えば、
暗い廊下で半開きのドアの部屋に近く。
↓
ドアの下を見ると人形が落ちてる。
↓
大きい音とともに部屋の中から白い手が出てくる。
このような感じに、ホラー映画のクリシェをただ使っているだけなので、先が読めてしまい微塵も怖くない。
また、監督の意図が分かりにくいのだが、本作は幽霊以外にも奇怪な家族も恐怖の対象としている
ように感じた。
だが、そういったものを描きたいのであれば、もう少し明瞭化した方が良いのではないだろうか・・・。
始めはごくごく普通の家族で、ラストで何となく薄気味悪い印象を与える程度なのだが、中途半端過ぎる。
どうせだったら始めから何か少し違和感を覚える程度にして、ラストで完全に狂ってるようなセリフや演出をした方が作品的には良かったのではないか・・・。
劇中で幽霊に襲われて、友達の家族がガラス襖1枚隔てるほど近くにいるのに、何故助けを求めないのか疑問だったのだが、「悪魔のいけにえ」のレザーフェイス一家のようにイカれた狂人どもなら話は別だ。
私なら余程の悪霊でない限り幽霊を選ぶ。
このように友達の家族の狂人を明瞭化する事に依って、メッセージ性が皆無だった本作にメッセージ性が現れる。
また、どうせだったらガラス襖の奥から声が聞こえるだけでなく、影などを使って不気味な一家を演出した方が良いのではないだろうか・・・。
基本的には低レベルな作品であったが、一部ブルーライトを私好みに活用している部分が見受けられた。
この点に関しては、夏のゴールデン帯に特番よりも優れていると思う。
5分程で鑑賞出来るので、気軽に観る事は出来るが、3日後には忘れそうなくらい内容が薄い。
因みに本作を鑑賞した妻は、
妻「微妙…。説明不足」
これが一番適切な表現かもしれない・・・。