わたしの卒論テーマがコレットの代表作『シェリ』だった。ただでさえ厄介な原作厨なのに(自覚ある)、こちとら伝記も研究書も読んでコレットの墓参りまでやってんのよ、おん? となったら我ながら感じ悪いので、長らく手を出さなかった本作。
そりゃ抜けてる話もあれば盛りすぎの逸話もあるけど、それ言い出したら伝記映画なんて観れないよね。
キーラ・ナイトレイがいい感じにハマってて、楽しく鑑賞🙂
特に衣装の再現度が高くって大満足だった。白黒写真で繰り返し見ていた姿が動き回るのにはちょっと感激。
モラハラ亭主との離婚を決意、てとこで映画は終わるのだけど…ちょっと待ったぁぁ、この人の人生こっからめちゃ長い上に波瀾万丈の連続、クライマックスはまだ先よ!?😆
コレットが、まだ駆け出しだったオードリー・ヘプバーンを舞台の主役に大抜擢したのは有名な話。ヘプバーンほどの俳優ならいずれブレイクしただろうけど、こればっかりは分からない。コレットが偶然にも後世に与えたインパクトは大きい。
そもそも田舎の小娘だった彼女が、パリの変態文士に見初められることがなければ作家コレットの誕生はなかったわけで。そしたら20世紀始めの重要なフェミニズム小説群がすっぽり抜けることになる。そしてわたしも卒論書けなかった(←お前はいったい何を言っているんだ)。