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RAW〜少女のめざめ〜のあのネタバレレビュー・内容・結末

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

久しぶりにMY FILMを見つけた感じ。最高だった。

これはオカルトとかホラーっていうジャンルものとしてではなく、性愛、肉欲についての普遍的な話になってて、その極北にカニバリズムを置いているだけ、あったようでなかったんじゃないか。
ただ、プレイの極北と一線を画してる(ように普通思う)のは、それが食欲と直で結びついていること。でもそれも出鱈目な結びつけというよりは、固定観念や社会構築された何らかの規制によって想像しにくいだけな気がする。だからそこを突き抜けたことがこの映画の革新だと思う。

食べることと、獣医学部(あるいは動物倫理)と、性愛をこういう風に繋げちゃうのか。
強いて言えば、だからこそ、ゲイのルームメイトが出てきたんだからその「特殊」(注意が必要な言い方だけど)な性についてもっと掘っても良かったのかも。
最後の方、ルームメイトのアドリアンがああなったのを見てジュスティーヌが「どうして抵抗しなかったの!?」って言ってたけど、その後に背中の刺し傷が見せられて姉貴が無力化したからね、となるわけだけど、アドリアンとのドラマによっては、自発的な無抵抗もあり得たのかもしれない。
食われるという愛も。ベルサーニが言う「ベア・バッキング(生ハメ)」にはそれに近いものがある気がする。エイズ感染死のリスクを承知で生で激しくやるのは、快楽と死を天秤にかけたのではなく、死が快楽、あるいは望みであるというような。

ただこの話は食う側の話だからそこでまとめたんだろうけど。そう、良いセックスってことになると食う側と食われる側の両方の要望ないといけない。だからこの話は受け皿が基本的には示されてないから(最後の父親のあれは、喜んで食われてる感じでもなかったよね)、自制、自己管理っていう話になっている。フーコーが『性の歴史』で示してみせたような。
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