TaiRa

女性たち/女たちのTaiRaのレビュー・感想・評価

女性たち/女たち(1939年製作の映画)
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女優しか出て来ない純度100%の女性映画。ジョージ・キューカーは女優の見せ方上手いし趣味がはっきりしてて良い。

冒頭のネイルサロンで女たちの止めどないお喋りを次から次へと見せて行くとこが凄い。かなりの躁映画。言葉の量が異常。流れるような撮影と編集も技巧派って感じ。上流階級の奥様たちがネイリストから主人公の夫が不倫してると聞きつけあっという間に噂を広めちゃう。主人公は夫の浮気を知っても頑張って我慢するけどクレイジーな奥様友だちが愉快犯的に掻き回す。不倫相手のジョーン・クロフォードの徹底したイヤな女っぷりも最高に笑えるし、何と言ってもロザリンド・ラッセルのサイコクレイジー奥様が可笑し過ぎる。エクササイズ中の奇妙さとかヤバい。女たちの盗み聞き、噂話、陰口などで物語を円滑に進めて行くのも面白い。画面に男を出さない為にも上手く使われるし、脇役にも見せ場がやって来て登場人物の隅々まで魅力的に見える。夫と離婚する事になった主人公が離婚協議中の女性が集まる農場に訪れる展開でも、新たに個性的なキャラクターが登場する。キャットファイト楽しい。ギャグの連続の中でも夫婦の関係性、男と女、愛とプライド、などの重要なテーマも語られている。主人公のお母様がくれる助言も達観してて面白い。経験豊富な年長者たちはみんな名言を残す。ただ尺が長いのは欠点かな。この情報量で2時間以上は疲れるよ。
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