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浮雲のakubiのレビュー・感想・評価

浮雲(1955年製作の映画)
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いじわるなひと。そんなふうにおもっていたのにずるい。どうしたって惹かれてしまった幼い恋心。男はいつだって夢をみる。女は諦念という安寧にやがておちついてゆく。どうしようのない運命のような哀しみ。
情熱を亡くしたあとの虚無が灰になってぽろりと砕けた。それをいまでもずっとにぎっている。最期まで意地悪だったあなた。忘れてた。意地を張っていたのはわたしのほうだったのね。もうてのひらも真っ黒。けれど棄てることなどできやしない。
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