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Mr.&Mrs. スパイのくりふのレビュー・感想・評価

Mr.&Mrs. スパイ(2016年製作の映画)
4.0
【ワンダーウーマンはスパイだった!?】

ツタヤで見つけた劇場未公開作。『ワンダーウーマン』前にガル・ガドットの活躍が見たくなり、事前にスェクスィ&爆笑の下着試着シーンをネットで知ったこともあり…でレンタル。

後から知ったが『宇宙人ポール』の監督なのですね。

主演ずっこけ夫婦ザック・ガリフィアナキスもアイラ・フィッシャーも、アメリカン・コメディ枠なら一流どころでしょう。が、逆にアメリカン・コメディゆえか、日本で馴染みあるスター不在だと劇場公開は難しい…相変わらず、というところでしょうか。

かなり紋切型のデキで捻りはないですが、シネコンのレイトショーなどでケラケラ笑って済ませるには充分で、劇場にかけてもよかったのに、と思いました。

個人的には『宇宙人ポール』よりスッキリと笑えた。笑いの呼吸もかなり合い、何度か仰け反った。下世話なところは相変わらずでも、セックス周りを下品に堕とさぬさじ加減が巧い。

邦題は、ブランジェリーナ元夫婦主演作への便乗でしょうね。隣に越してきた夫婦が実はスパイだった!?というマンマなお話。大衆がいだくカッコいいスパイ、という幻想を直球で生かす展開で、リアルではないが気持ちよく走り抜けています。

が、話はスパイ頼みではなく、主人公たるずっこけ妻の鋭敏なおばさん嗅覚に始まり、ずっこけ夫の人事部勤務ゆえの職業病がよくも悪くも生かされてしまう…と物語の牽引側を大衆感覚に寄せ語っており、逆にスーパースパイが彼らに学ぶことになる、との展開がドラマとしての肝かと。

まあ無理矢理な普通の暮らし讃歌で、全体、舌足らずな感もありますが、後味悪くないですね。

ガル・ガドットはかつてのアンジーに比べると、存在感まだ薄味だとは思いますが、シャープでも冷ややかではなく、眺めていて飽きる隙がありません。アイラ・フィッシャーとの下着試着シーンは、ホントに同じ女かよとのギャップがめちゃ可笑しい。

『ワンダーウーマン』はガル・ガドットだけでなく、内容の評判も幾つか聞いていますが、ますます楽しみになりました。

<2017.6.26記>
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