AKO

シュガー・ラッシュ:オンラインのAKOのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

偏執的な執着にケリをつけるための自分との戦いをめちゃくちゃ丁寧にセッティングしてくれていて、構造がわかりやすい!親切!と思いながらダバダバに泣いてしまった。
前作であんなに「皆に好かれるヒーローになりたい」から「あの子のヒーローになれればそれでいい」に至る過程をうつくしいハッピーエンドとして描いておいて、
からの、純粋な思い故の歪さをあんなに醜く表現するなんて……鬼……👹
そら「ヴァネロペのヒーロー」という強固なアイデンティティも形成されるわな!という感じ。自分の根幹に他人がいるという状態は、強固だけど危うい。理想化した(自分の思いを受け止めてくれる)相手がいなくなると根本から揺らいでしまう。
対象関係論的に誰か考察してください…!(力不足)


ヴァネロペを新しい世界に連れて行くのがカッコいいお姉さんなのめちゃ良かった。
ラルフと全く違う属性だったから、ラルフがダメでその上位互換がほしかったというわけではなくて、ただその時その時でヴァネロペに必要だった関わり方が違っただけなんだろうな。
だから、前作のあの時点でのラルフは間違いなくヴァネロペにとってのヒーローで、その役はラルフにしかできなかった。
ただ、時間が流れ、いろいろなことが変わっただけ。かつての正解は不変の正解ではなかったということ。VUCA笑ですね。
人は変わる。だからこそ、自分も変われる。
変わらないでいたいと思う気持ちもわかるしその選択肢もあるけど、それでも一緒ににいたい人との歯車がずれてきたなら、変わるか変わらないか、どちらかを選ばなければならない。


ディズニープリンセス達のセルフパロも良かった。
水場に顔を映すというのは水鏡で自らを見つめ直すこと、歌うというのは自らと対話することだ。その構図はプリンセス皆共通しているというのがよかった。
本当に自分がやりたいことは何か、望むことは何かと痛いくらいに問いかけてくる。それを見失わず向き合い続ければ、誰だってプリンセスだ。

ラスト、ラルフがドレスを着てベッドに寝たこと。ギャグだけど、ラルフが自分としっかり向き合った結果プリンセスの資格を得た的な意味にも取れる。
誰だってプリンセスになれる(し、もちろんならなくてもいい!)ことは希望だ。
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