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エタニティ 永遠の花たちへの4のレビュー・感想・評価

4.7
男本位の世界で生きる女性たち

皆がそれぞれ異なる物語を持っている。
私が生まれたのは、先祖の全てのお陰で、私もその物語を受け継いでいく。
女だけが知ることのできる幸せがある。
ベレニスベジョの演技で何度も泣いた。
シャルルの告白が素晴らしかった。
クラシックと美しい映像がゆったりとしてて良かった。
今は男女平等が当たり前の世の中だけど、当時は違う。
女だけが経験できる苦悩がある。
男性だけの苦悩もあるけど、私は女だから、バリ泣いた。(言葉遣い悪くてごめんなさい。でも本当に、バリ泣いたって言葉がピッタリなくらい)
最後の方は特に、ホントに耐え難かった。
理解とか共感じゃなくて、そもそも私は子供も愛する人も何も持ってないので…でも、彼女たちの決断が私の心に響いた。
女は男のための存在じゃない。
流産した時に「また産めばいい」なんて決して言うな。それは男本位のセリフだから。

例の告白とは別で、気に入ったセリフが、ガブリエルがマチルドに
「幸せ?」
「ええ、なぜ聞くの?」
「幸せでいてほしいから」
って場面。
こんな親友になりたい。

ブルジョワでストーリーが綺麗すぎるという意見を聞きましたが、それが逆に私的にはよかった。
何故かというと、なんとなくだけど、このストーリー自体が世代を越えて伝えるべきことで、一人の人物にあまり深入りしてないし、セリフよりもナレーションみたいな部分も多く思った。
誰かが主人公ってことじゃなくて、過剰に言うならば、見ている私たちが主人公とも言えると思う。先祖から受け継がれていく「何か」を見ているわけで、ドロドロした社会とか苦難とか、そういうのはいらないように思えた。

私も近頃、二十年くらい生きてきて、初めて人の死を見ました。
この映画の時代は、戦争があったし医療の未熟な時代でしたので、流産・生まれてもすぐに死んでしまったり、若くして亡くなったりしました。
ヴァランティーヌが人生は死者を見送ることだと言いました。
私も多さは違えどこれから何人もの死者を見送る人生なんだろうな。
でも、好きな人の最後は見届けたい。
シャルルの告白だけども。
いやホンマに。彼は乙女心分かってる。
人々はこれをロマンチストだって笑うかな?私はそう思うけど、それが素敵だと思う。
好きな人にぐらい、ロマンチストでいたいと思う。恥ずかしいぐらいのサプライズとか照れ臭いこととかして欲しいし、したい。私は夢想家だろうか。


(以外引用)

まだ君を愛してない
君も同じだろう
僕たちは、まだ他人同士だ
愛は学ぶものだ。与えられるものじゃない
僕は孤独な人間だ
しかも無口だ
夢想家とも言える
僕のテーブル・マナーは嫌われるかもしれない
試練が山ほど待ち受ける
だが一度約束したら、僕は必ず守る
約束するよ
君の広い額が好きだ
余り笑わない表情も
年老いて若さと美貌を失っても
振り向く男がいなくなっても、
君を愛し続ける
初めから決めてたんだ
君の最期を見届けるよ
君もそうして欲しい
妻になってくれ
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