【第55回カンヌ映画祭 コンペティション部門出品】
偏愛するオリヴィエ・アサイヤス作品。日本ロケもしており、大森南朋と山崎直子が出演している。
光沢素材の服や、躍動感あるカメラや淡々とした展開は『イルマ・ヴェップ』の延長にある気がする。
一方でデヴィッド・リンチやクローネンバーグのような虚実ないまぜのエログロの世界が展開されるのも興味深い。
産業スパイの話なのだが、後半は「この会社大丈夫かよ!」となってくる。
男女の性愛だけでなく女性同士の性愛も仄めかされたりとスパイものでありながら官能的でもある。
『ロスト・イン・トランスレーション』で感じた日本描写への違和感と比べると日本を異物として描いてはいない。ギャスパー・ノエの『エンター・ザ・ヴォイド』に近いかも。
流石アサイヤス、淡々とした展開に退屈と思う人はいるかもしれないけど、僕はやっぱりかなり好き。