行き先がどこになるのか、計画が無事に成功するのかも分からないまま、一縷の望みにかけて子どもを託す。
身を切られるような思いで子どもを手放し、列車に乗せる親の気持ち…涙が止まらない。きっともう二度と会えない。
時折 登場する家族写真は、幸せに満ち溢れたチェコスロバキアでの何気ない日常を切り取っていて、また涙を誘う…
そんな悲惨な時代の中でも、くすっと笑ってしまうような、子どもたちの子どもらしい日常も描かれていて、そこにはたしかに各々の生活があったのだと実感させてくれる。
できたことも、できなかったことも、過去のこと。
些細なことにでも愛がこもっていれば、受け取った人は孤独ではないと感じることができる。
筋を通し、意志を強く持っていれば、不可能はない。
仕事ができて、思いやりにあふれたおちゃめな主人公の思いを私も受け継ぎたい。