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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのyousukettieのレビュー・感想・評価

3.5
"だってこの状況は…自分が招いたことでしょう。"

コリンファレル、バリーコーガン主演。カンヌ国際映画祭出展のサスペンスホラー。キャッチフレーズは"彼は4つの悲劇を用意した"
心臓外科医である主人公がてがけた手術により、命を落とした男。その残された遺族の息子を中心に、不可解な現象が主人公家族に襲いかかる。

なかなかに古典的なホラー映画。話は単純で登場人物も少ないんだけど、ストレートに背筋がゾクゾクするやつ。不協和音と周囲の生活音以外、無駄な音やBGMを一切省くことで、異様な雰囲気が出でいた。きわめつけはノイズ混じりの映像と、バリーコーガンの怪演。徐々にパーソナルスペースに入り込んできて存在感を増してく彼…おそろしや。ナポリタンを食らうシーンは、意味不明に気持ち悪い。クソマズそうな食べ方と見た目。なんで白シャツ着てるの!はねるよ!ってツッコミは置いておいて、フォークの持ち方もキモし、口の周りも汚いし、ヘラヘラ最後笑ってるし。映画史に残るシーンなのではないだろうか。

マーティンは一体なんなのかは重要ではなくて、結局追い詰められた家族はどうなるか、がフォーカスされていたんでしょう。ニコール演じる奥様は"私たちが残れば、子はまた作れる"とかいいはじめる狂気。最後親父の選択の仕方は…この状況で、天に身をまかせるにはあまりにもみっともなさすぎる。終わり方からしても胸糞悪いけれど…すごく印象深い作品。
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