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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのyuのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ずーっと見たかったやつ!ついにアマプラに来てた!!!
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まず、タイトルがかっこいい。「聖なる鹿殺し」声に出して読みたい日本語って感じ。
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これは、ギリシャ神話のお話しをもとした映画みたいで、それを知ってたらすごく楽しめるらしいんだけど、知らなくてもとっても面白かった。
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だんだんと狂っていく感じの映画が好きで、これはまさしくそんな感じだった。医者の主人公が一人の少年を家族に紹介したことによって家族にだんだんとおかしな現象が出始める。主人公と少年はそれまで適度な距離感を保ちつつ、プレゼントをあげたり良好な関係を築いていたように見えてたけど、だんだんと距離感が縮まってきて、しまいには「あなたは僕の父を殺した。だからあなたも家族を一人失わないといけない。妻・娘・息子の誰にするか選んで。じゃないと3人ともみんな死んじゃう」みたいなことを言ってくる。(このシーンが一番怖かった、早口でめちゃくちゃ軽い感じで言ってるのに内容エグすぎだろ…みたいな)
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少年は主人公の職務怠惰によって亡くなってしまった患者の息子ってことで、主人公が悪いんだけど、主人公はその息子にプレゼントをあげたりあって話を聞いたりすることで自分の罪を軽くしようとしてた気がする。私はこれは息子による「復讐」だと思ってたんだけど、解説やらいろんな人のレビューなんかを見るとそうではないらしく。少年は亡くなった父の代わりが欲しくて、母と二人きりにさせたけど、主人公がそれを拒んだことによって望みがかなわなかったからあの行動に移したとか何とか…。(なんかこの辺はわかりやすい解説あってそゆことか~ってめっちゃ納得したので気になる方はそちらを参照ください)
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何が良かったかって、家族の様子がどんどんおかしくなっていく様。「自分は殺されたくない」という理由から、主人公にいろんな形で媚を売るというか、自分をよく見せようとする姿がなんともまぁ…息子は「髪を切る、犬の散歩に行く」(かわいい)娘は「お父さんが一番大事、私の命は差し出しても構わない」(あざとくてよい)て感じだったんだけど、母「子供ならまた作ればいいし誰かを殺すなら子供のどちらかよね」!!!!!!!!!!!!!!耳を疑いたくなるような言葉で面白すぎた。よくある映画だったら「私の命の代わりに子供を助けて」とかだと思うんだけど、この母は違う。このセリフを言いながら色仕掛けまでしてくる始末。生への執着心があって非常に良いです。
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出産時に子供と母のどちらかを助けなければならないときって、「次もう一度子供を作ればいい」って理由で母の命を優先する方が多いって何かで聞いたことあるんだけど、子供がある程度大きくなった時って、アンケートとか取ったらどうなるんだろうなと思ったー。
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ラストのシーンについては、ギリシャ神話に基づく解説がとても恐ろしい内容で良かった!もととなったギリシャ神話も呼んでみようかな(多分読まない)
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コリンファレルはどうも苦手だったんだけど、今回はどうもヘタレな父を演じていて良かったです。バリーコーガンはダンケルクの出演で知ったんだけど(いつもポージングするときにファイトポーズする印象)これから色々化けていきそうで楽しみな俳優さん~。
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