matchypotter

22年目の告白 私が殺人犯ですのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.7
22年前の阪神大震災の年にあった連続絞殺事件。その22年の時を経て時効を迎えた直後にその一連の犯行を実行した犯人と名乗る男がセンセーショナルに会見をしたことで始まる新たな衝撃。

メイキングでも藤原竜也氏が言ってたけど、色んな意味で彼はこの作品の“象徴”な訳で、その彼のカリスマ性を最大限に引き出し映し出す制作スタッフと入江監督の力がスゴかった。
そのスゴさがこの作品を面白くする最大の演出。これに尽きる。

日テレが委員会にいるいわゆるTV局映画なので、この事件当時や時効後に出てきた犯人を名乗る男を中心にした一連の騒動のマスメディアとしての報道の現場の空気やあり方がとてもリアルに再現されている。
阪神淡路大震災の模様や当時の政治、TV番組っぽい要素を差し込む演出もさすがだ。

伊藤英明も22年前と後を表現するのにかなり努力したんだろうな。実際は同じ伊藤英明なのに、22年後とされる伊藤英明の方が遥かに影があると言うか貫禄というか雰囲気、凄みがあった。

野村周平もいつもぼんやりしてる役所のイメージではあるけどこの作品ではなかなか迫力があって鬼気迫る様相が印象的。

5番目の現場が伊藤英明演じる刑事宅である、という衝撃がめちゃくちゃ引きずってて、それが全てに繋がってるわけだが、確かにあの時「一緒に住むことになって暮らしてた妹カップルは事件当時どうしてたのよ?」が気になってるうちに、少しずつ少しずつ当時のことが紐解かれて、現在と繋がって、ミステリー的な衝撃として何とも言えない気持ち悪さというか鳥肌が立つ感じがずっと続く。

この、伊藤英明がどっちの側で目の前の出来事に対応しているのか、とか、仲村トオルの使命感とか、「何この感じ?」「何でそれ?」から、後から後から少しずつベールが解かれてゾゾゾっとしてくる流れに鳥肌立つと言うか、背筋が凍るに近い。

特に仲村トオルの言動、あれヤバイわ。
床に落ちてる物を拾う動作、あれヤバイわ。
matchypotter

matchypotter