垂直落下式サミング

猫の集会の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

猫の集会(2007年製作の映画)
4.0
新海誠は猫が好き。
気持ちよく寝ていたイエネコのチョビは、家族みんなから尻尾を踏まれて人間を恨むけど…。おまぬけな猫ちゃんのおはなし。
動物と僕らは、本当に通じ合ってんのかな?そんな疑問。自分が帰ってきて喜んでるんだなあ可愛いヤツめと思っていても、もしかしたら毎日毎日しっぽを踏んづけられて腹に据えかねているかも。ほんのすれ違い。言語があったってなくなって、誰にでも起こること。僕らはきっといつもズレていて、それに気づけない。怨みが積りにつもって滅ぼされる前に、一緒にご飯を食べて認識の食い違いを正さないと。
やっぱね、そもそも、その場でぶちギレない時点で優しいんですよ、チョビは。踏んだ全員に威嚇しながら飛びかかったっていいのに、汗流しながら震えるだけで、お姉ちゃんのバッグにしか攻撃しないなんて優しすぎる。そんな性格の猫なんだから、とっても可愛がってあげなきゃ。靴下ならまだしも、ローファーで踏むんじゃありません。
新海作品らしくないのは、夜景がいつものキラキラじゃないところ。ビッグベン時計台のようなものがあるからロンドンかと思いきや、日本の中途半端な地方都市のまっ平らなところにポツンと東京タワーっぽい鉄塔があったりして、都市のモデルが不明な無国籍ファンタジックな世界観を打ち出していた。
地方の外れにみたいな平らなところに東京タワーがあるのって、なんかオトナ帝国みたいでドキドキ。