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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のmittskoのレビュー・感想・評価

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アメリカ型の「只管打坐」が、すごく印象的だった ほんの束の間おとずれる「静寂 stillness」の境地は、あちこちぶつかり傷だらけになりながら過去に縛られ前に進もうとする人間にとって、一体なんなのだろう…

主人公にとって「静寂」は平安平穏であり、たとえ不安定なものではあれ、確かな救いになっていたのだろう しかし、物理的であれ非物理的であれ「音」に侵入され、その刺激の処理と反応をくり返すこととは、すなわち生きること、愛することそのものでもあるだろう

「静寂」の彼方から、彼は帰還するのだろうか… もし帰還したのなら、彼はどんな存在になっているのだろうか…

こうして本作は、とても仏教的な一本だと思ったのでした
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