係長心得

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~の係長心得のレビュー・感想・評価

4.1
キャンピングカーで旅するヘビーメタルバンドカップルのルーベンとルー。

過去のヘロイン使用により、ある日突然、聴覚を失ったヘビーメタルバンドのドラマー🥁ルーベン。

バンドのツアーをキャンセルして、キャンピングカーが向かった先は、難聴者のコミュニティ。

これは良質なロードムービー📽の予感。

難聴者の暮らしを学ぶために訪れた小児クラスで子供たちと触れ合い、リズム遊びで打ち解けながら、少しずつ静寂の世界に馴染んでしくルーベン。

それでも、メールの連絡が途切れがちになったルーの様子がずっと気になり、もう一度、ルーとの生活を取り戻すことを夢見て、高額な人工内耳のインプラント治療に一縷の希望をかけるのだが、、、

時間との経過と立場の違いから生じるルーとの距離感が切ないです😢

この映画の凄みは、ルーベンの聴覚を疑似体験にとことんこだわった点にあります。

・体に響くバスドラの激しいビートと重低音

・耳に水が入った時のような不快な反響

・周囲の音が遮断され自分の声すら微かにしか聞こえない感じ

・静寂を通り越した無音

・人工内耳を通して形成される不快で極端な金切り音

「サウンド・オブ・メタル」

タイトルは、ヘビーメタルと人工聴覚による不快な金属音のダブルミーニングなんでしょう。

絶暴的な現実とどのように向き合いながら静謐の中で安らぎと美しさを発見していく姿に心打たれました。
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