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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~の3333のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ルーとルーベンの表情がいちいち刺さった。乱暴者に見えて、ルーベンは結局人に優しい。物に当たる事はあっても、警戒心を剥き出しにすることがあっても、フクロウみたいでも。ルーの歌声が大好きなルーベンが、ルーが歌っているのを上手く捉えられないとき、どんな気持ちで、その後彼女を褒めた時、どんな気持ちだったんだろう。聾者として、人の表情をよく見てきたから、私たちよりもずっとルーの気持ちがわかったんだろうなあ、つらいなあ。大好きな人が大好きなままで、新しい生き方を選ぶルーベンは格好良かった。

聾者のコミュニティは、そこに在る時だけは幸せだけど、それ以外のコミュニティとの関わりを断絶する。あの理念も大事だと思うけど、それ以外の理念を持つ人がもう少し自由に、そして医療について適切に知り、治療を受けるかを学ぶ場があるといいのにと感じた。映画だから色んな世界を見せたのだと思うけど、希望を持って臨んだ治療で裏切られた気持ちになるのは本当に辛いと思う。台詞回し、音の使い方、表情、何もかもが没入感のある映画だった。
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