雰囲気は少しフランス映画の「ミシェルヴァイヨン」に似ていて思い出した。これが実話を元にしたお話しという事が一番驚きました!実際に居る人物達なんだろうけど、主人公を始めとして癖がある人物が多過ぎてどうも付いていけない。父親が亡くなった後の家族の苦労などを丁寧に描いて感情面を描き出そうとしているが、その部分が長い… 物語の要である公道レースに行くまでが長いです。
兄貴役を演じた俳優さんは上手い。暗い目やシーン毎に感情がコロコロ変わる感じは薬物常用者の感じを表現している。兄貴が妹にマイクでアドバイスを決意する時の表情とシーンは個人的には好きな場面。トレーニングシーンと家族がほんの少しだけ心を通わせ一致するシーンは楽しい。妹の話かと思いきや兄の話だったりして急展開に驚いた。
レースシーンは色々撮影に制約があったためか、躍動感というかスピード感に少し欠ける印象で残念。レース映画というよりもレースを下敷きにした家族再生の物語なので、レースシーンを期待し過ぎると残念な形になると思います。「えっ…これからなんじゃないの?」って思うような盛り上がり所が曖昧で取って付けた感じの終わり方は何ともイタリア映画らしいなと思いました。
ほんの少しフランス映画の「ミシェルヴァイヨン」に雰囲気が似てると感じたので前述の映画が好きな人には向く映画かなと思います。全然期待していなかった分、期待を上回る感じで私も十分に楽しめた映画でした。
