郷里

アヴリルと奇妙な世界の郷里のネタバレレビュー・内容・結末

アヴリルと奇妙な世界(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

すっごい好みのスチームパンクだった!

アマプラのおすすめでたまたま見つけて再生したら面白くてびっくりした。
不死の血清、起こらなかった産業革命、失踪する科学者たち、フランス帝国とアメリカによる資源争い、暗躍する謎の組織…。

ええーめちゃくちゃ完成度の高い歴史改変SFじゃん!

キャラデザはタンタンとますむらひろしを合わせたみたいで日本の萌え・アニメ絵とは対極的だけど、人物の動きも背景も凝ってるしストーリーもしっかりしてて惹きつけられた。
いろんな乗り物がたくさん出てくるのがスピード感あって良いね。
おじいちゃんが用意していたアヴリルの服がサイズ違いで並んでたりとか、出口がトイレとか細かいネタが効いてるのも楽しい。

あと、このテの話はどうしても消費社会、文明批判的なテーマになってしまいがちで、本作にもまあそういう面はあるんだけど、テーマが前面に出過ぎることなくあくまで冒険物語として楽しませてくれる。

けっこうジブリの影響を受けてるっぽい(煤に覆われた世界はナウシカだし、蔓に覆われたロケットが宇宙に飛び立つシーンはモロにラピュタ)一方で、飛び散った胞子と血清が世界に何をもたらすか…というオチの付け方は、科学批判・自然回帰的な(若い頃の)宮崎駿とは明確に異なる。

最後に映る家族の写真とダーウィンにニッコリ。
と言うかダーウィンが最高。猫、しゃべる猫。

全編通して洒脱なエスプリを感じさせ、
なるほどこれがフランスのSF…ジュール・ヴェルヌの国…と唸った。

寡聞にして本当に全く知らない作品だったので得した気分。
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