カス

安城家の舞踏會のカスのレビュー・感想・評価

安城家の舞踏會(1947年製作の映画)
3.0
ヨーロッパで死ぬほどされ尽くされているいわゆる定番な話題を日本の貴族制度廃止に重ねた脚本には驚かされた。
この映画の中で重要なのは誰も死なないことではないか。
日本的な感覚。
ヨーロッパの没貴族者は必ずと言っていいほど誰か死ぬ。
その誰かは決まって女であるわけだがこの映画では死にそうな女は誰も出ては来ない。
日本的(というか新藤兼人的なのか)な女は強い男は弱いという感覚が少し邪魔かもしれない。
しかしこの映画は走り出したプロレタリアを追いかける没落したブルジョアジーが砂浜を転げまわり宝石という資本を落とし追いかけるというシーンで終わっているのでその後はどうでもいい。
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