安城家の舞踏會の作品情報・感想・評価

安城家の舞踏會1947年製作の映画)

上映日:1947年09月30日

製作国:

上映時間:89分

ジャンル:

3.7

あらすじ

「安城家の舞踏會」に投稿された感想・評価

ノノ

ノノの感想・評価

3.8
敦子だけがとらわれたまま終わってしまって悲しい。健気さと凛とした姿、貴族独特の言葉遣いが原節子にぴったり
めちゃくちゃ札束出てきたのは笑った
没落した華族の令嬢という役は、原節子のハマり役。
「ごめんあそばせ」などの言葉遣いで違和感ない女優さんは、なかなかいない。
otomisan

otomisanの感想・評価

3.9
 先々代は四十万石の大殿様。殿さまと言えば志村けんを思い出してるようじゃ分かるまい。特権階級の特権の一つに、あす朝野を騒がす発表を昨日のうちに耳打ちされるなんて事がある。そうやって売るものを売り、買うべきものを買う事で入りが大きければ出も大きい御大家は生き延びてきたのだし、大殿様になった三百年前もそんな才覚の裏打ちあって下剋上してきたわけだ。ところが不運にも世情に疎い殿も出れば、皮算用した狸を取り損なう殿もいる。
 そんなわけで原節子が苦労して元伯爵家の始末に奔走するのだが空振りばかり。終の光芒なりともと開く舞踏会でも下女さながらによく働く。しかし戦争から2年、なにをやって来たんだろうか、これなら誰に雇われてもなんだって務まるだろう。その分、原節子なのにダンスの相手が誰もいないなんて。それだけで明日の社交欄の記事もトーンダウンに違いない。
 原節子がそんな具合だからニヒル気な兄も出戻って意気消沈の姉も、華族の名望を自身の声価と取り違えた殿も家名再興の助けには程遠い。そんな中、もと御家の運転士遠山が運送業で一旗揚げて大金を稼いで戻って来る。彼が原節子の相手に?かと思ったら、元の想いのまま出戻りの姉と消えてゆく。安城家の始末はそれでケリが付くとしても、原節子はどうなるのか。
 会も終わった夜明け前、背信の新川に借りた金を叩き返し、お千代さんとは夫婦になると宣言したばかりの殿は死にたいそうな。昨日の夢から覚めない殿は、泰西名画張りの絵ばかり描いてる時代遅れの殿が笑いのツボを押し違えた志村けんのような馬鹿に見えるのが情けないようなありさまだが、なるほど、そのために原節子がああしているわけだと、男一人寄せ付けず父のためにラストダンスを所望するために居たのだと知れるあの明け方、どこか、明けても輝かない元華族の中に埋もれて、なぜ原節子はこれが似合うのだろうと考えてしまう。
舞踏する人々を縦断しつつ、重大な事は周縁で起こる。周縁の出来事が沸点に達すると、人々の踊りに決定的な亀裂(ビンタ)が入り、本当に踊っているどころではなくなる。主に原節子が実は後景にいることが少なくなく、それを見る度にディープフォーカスだったらと思う。
Jimmy

Jimmyの感想・評価

4.8
華族制度廃止に伴う元華族の没落を描いたこの映画、物凄い傑作。

華族制度が廃止された昭和22年に公開されたこの映画、華族制度廃止後の約4~5ヶ月後の封切というタイムリーな作品である。


物語を追っての記載はここではしないが、素晴らしい映像美をいくつか列挙する。

〇安城家が華族時代に雇われていた元運転手が(安城家の娘(入江たか子)に)「昭子様、その貴族の心をお捨て下さい。私と結婚して下さい。」と言うと、昭子は運転手の前から走り去り、昭子は酒を鏡にぶつけるのだが、ここで鏡をしたたる酒で昭子の姿が曇るシーンは素晴らしい!

〇安城家の父と(元)妾の結婚を祝してから、ベッドに横たわる正彦(森雅之)を見下ろす小間使いの菊(幾野道子)が正彦を見下ろす不気味な顔は、菊の顔への照明の当て方が素晴らしいので、不気味さが際立っている!

〇安城家の父が自殺するのではないか、と観客にも思わせるシーンでの斜めの構図も見事である!

などなど、素晴らしいところを挙げたらキリが無いほどの大傑作。
戦後の華族制度廃止に伴う名門安城家の最後の舞踏会をめぐる話。太宰治の「斜陽」など華族を取り上げた作品はあれど、戦後75年近く経った現代では「そういうのが昔あったんだ」ぐらいの感想でしかない。昔の女性言葉のまどろっこしさと、森雅之が『革命のエチュード』を弾けるくらいピアノが上手いのが印象的だった。
Satomi

Satomiの感想・評価

3.0
あなたのことがずっと好きでした、
じゃなく、
あなたのことをずっとお慕いしておりました

って、いつまで一般的に使われてた日本語なのだろう。

おそらく明治〜使われていたであろう美しい日本語が印象的な映画だった。今の時代で、「ごめんあそばせ」とか言ったら確実に浮く。

舞台セットが、ジオラマのようで美しかった。カラーで見てみたかったな。
メル

メルの感想・評価

3.7
終戦によって華族制度が廃止され、いわゆる没落貴族となった名門安城家。

いよいよ家計が立ち行かなくり邸宅を手放すことにして、最後の思い出に舞踏会を開く。

プライドの高い出戻り長女、女にだらしない長男、時代の変化に気持ちが付いていかない初老の当主、その中で一番若い次女だけが現実をしっかり見据えて奔走する。

20代の原節子が健気で可愛く、華がある。

華族と言えば昔の藩主だったりする訳で、当主が執事から「殿さま」と呼ばれているのも理解できる。

しかし、当主には今までの特権階級から平民になり自由競争の中で生きていく不安が重くのしかかる。

太宰治の「斜陽」もこの作品と同じ1947年発表。
大日本帝国憲法から日本国憲法へと日本が大きく変わっていった、その一面がよく分かる作品でした。

それにしても脇役ながら殿山泰司はこの頃から既に殿山泰司だったのだなぁと納得。
YAZ

YAZの感想・評価

4.7
小津でも成瀬でもない原節子観る
また観るです

華族制度廃止で没落した旧伯爵
安城家一族が開いた舞踏会での話
昭和22年作なので画像、音質良く
ないですがかなり面白い
久しぶりでしたが何度観てもです

Filmaのあらすじに有りますが邦画
らしさが良い意味で少ないな~とは
初見の時から思ってました
大袈裟な芝居でスローな口調は舞台の
ようでも有り、キャラ濃いですが役者の
個性が負けてない

庶民に堕ちるのを受け入れ難い葛藤
華族時代との立場の逆転からの憎悪
ドロドロな感情渦巻いてます
もちろん旧華族なので表面上はお上品
装ってますが、昔世話したのに父親侮辱
した男を睨みつける節子様超コワイ

男女間含め人間関係に肩書は少なからず
影響するというのは普遍的かも。
愚かな人間
当時の庶民がこの映画をどう観てたのか
はちょっと興味有ります

安城家大ホールの美術が芝居と相乗効果
で庶民とは異なる異空間作ってる
ニヒルな森雅之かっこいい
砂浜に転げ落ちるシーンはやっぱり面白い。
あと、どの役者も知的でスマートに見えるから役柄に全然負けてない。
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