なちょ

ちょっと今から仕事やめてくるのなちょのレビュー・感想・評価

3.8
軽い気持ちで寝る前に観てしまって失敗した。
この映画は仕事で疲れているときに観る映画ではないなと思いました。

仕事で心も体も疲れ切っている主人公、青山。
彼の淀んだ心を反映するかのような憂鬱な音楽と荒れた部屋の映像から物語は始まる。

中盤までは辛すぎて心が抉られる。
なんというか、共感しすぎて。
社会人になってから親のありがたさって本当に染みますよね。

営業部長を演じる吉田鋼太郎がおっさんずラブと真逆のハラスメント上司を演じていてそのギャップもパラレル感あって面白かった。
いや〜ほんと嫌なやつ!笑

もう泣きすぎてHP1しかないよ・・って頃合いでくるスカッと感。
物語のピークはおそらくココだと思う。

そこで終わっていたら「俺はブラック会社に勤めているんだが〜」の二番煎じになっていたけど今作はヤマモトという自称同級生を語る謎の男がいるおかげでほどよいミステリー要素がスパイスとして投入されている。
後半にかけてはヤマモトの解決編に突入する。

働くってなんだろう?
やりたいことってなんだろう?
自分はどんな自分になりたいんだろう?

誰しもが考える普遍的な問題は教えられるものではなくて気付くもの。
青山を演じた工藤阿須加くんは気付いたあとの目の輝きがとても印象に残った。いい役者さんだなと思った。

学生のころ先生が言っていた言葉で心に残っている言葉がある。
「机の汚い人は良い仕事はできない」
当時はふーんって思っていたけど社会人になってからふとしたときに思い出す。

確かに心に余裕のないときほどデスクは汚くなる。書類もすぐに探せない。資料が山積みになって地層になる。ついでにいろんなことが後回しになる。

映画みおわった次の日、会社の机を綺麗にした。
なちょ

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