キェシロフスキのボーイ・ミーツ・ガール
人が一瞬一瞬、その時々に選択する行動から偶然的に生まれる運命の結末。
これは「運命」と「偶然」が織りなす「愛」についての物語。
ひとつひとつのカットが本当に美しい。
走り出すカット
出会いのカット
見つめるカット
走り出すカット
主人公が、寝ている彼女を乗せ走り出す路面電車を追いかけるラストシーン。
目的は違うかもしれない、だが彼は偶然にも序盤のシーンで同じように路面電車を追いかけている。
行動としてはほとんど同じ、ただ目的が異なる。
たった5分という映画にしては短すぎる時間で描かれるのは、幾つもの「運命」と「偶然」。
『トリコロール赤の愛』が「運命」と「偶然」の集大成の作品だとしたら、本作は原点に位置する作品。
きっとこの先も、キェシロフスキの誕生を見たという感動を忘れることはできない。