海岸

輝ける青春の海岸のレビュー・感想・評価

輝ける青春(2003年製作の映画)
2.9
60年代〜90年代にかけてのイタリアを舞台にした6時間に及ぶ大河ドラマ。ニコラとその兄マテッロが精神病を患う美しい少女ジョルジャを病院での虐待から助けようとするところから物語が始まる。
兄は大学を辞め警官になり、妻は左派活動家、自分は精神病患者の人権のため奮闘さていく…陽気でおちゃらけたイタリア人のノリの反面、人間が人生から得るとものと失うものがイタリアの激動の現代史と重なる。
イタリアはローマ、トリノ、パレルモ…とかなり舞台が動くので旅をしているかのような楽しさがある。ワールドカップに食い入るおじさんたちとか、皮肉好きなローマ人、等イタリア人の習性が、外国人がつくったのか?っていうくらいふんだんに取り入れられているから、イタリアを知りたい人にはもってこいの作品。
人物設定はニコラの妻であるジュリアの孤独は描き切っていない感はあれど、本当によくできている。主人公一家は実業家と教師のブルジョワ家庭で子供はみんなインテリという設定なのだけど、それぞれが抱え悩むものがある。人を悪気なく追い詰めてしまう、繊細、偽善、贖罪意識などがシーンによって丹念にあぶり出されドラマが走り出していく。
腐敗と市民、革命と音楽、写真と真実
「若者よ、この国を出なさい。ここは恐竜と崩壊しゆく国だ。イタリアは美しいが役に立たない」
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