輝ける青春の作品情報・感想・評価

「輝ける青春」に投稿された感想・評価

Linus

Linusの感想・評価

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「全てが美しい。」


何度も観たい映画。

なんだけど、何度も観るのは時間的に厳しいから、ハイライトで観るしかない。
lili

liliの感想・評価

5.0
イタリアにこんな傑作があったとは!前後編合計6時間にわたる超長編社会派青春映画(?)。初めて観た日からこの映画について毎日考えなくてはいられなくなり、長さに腰が引けて敬遠していたことが悔やまれる。登場人物が丁寧に愛を込めて描かれていて、どの人物にも愛着が感じられるようになっているので、全く長さを感じないどころかむしろずっと観ていたいくらいだった。また、先進的と言われるイタリアの精神医学の黎明や学生運動の盛り上がり、「赤い旅団」のテロに対する社会の緊張感といった当時の社会的背景も見事に絡められていて、さてはさぞかし分厚い原作小説があるのだろうと思っていたが、実際には監督が兄弟役の俳優二人のはしゃぐ姿に着想を得て書き上げたストーリーだというので唖然とした。言われてみればたしかに、当て書きでなくては信じられないほどのハマり役なんだけれども…。ちなみに、この精神科医と警官の兄弟という強烈な設定、ニコラ役のルイージ・ロ・カーショさんは本当に医学部出身、マッテオ役のアレッシオ・ボーニさんは警官だった過去があるらしく、バリバリに根拠があったので大変恐れ入った。
現代史を背景に、その国の歴史を作りながらも翻弄されていく若者の人生を描くという点では、台湾の『GF*BF』や韓国の『1987』を彷彿とさせる。そこにイタリアの人々の明るさや少しの物悲しさ、詩情、家族の強い繋がりを足した感じかもしれない。語れるほど観ていないけれど、イタリア映画には「光が強いほど影も濃い」という言葉がよく似合っていて、どこか悲しい作品が多い気がする。

『輝ける青春』と聞いて私が真っ先に想起するシーンは、マッテオとニコラとジョルジアの3人旅の場面。彼らのそばにはいるべき人がいて、それぞれにお互いを愛している。あの一曲のあいだ、世界がどれほど眩しく輝いていたことか…。

 

以下ネタバレ↓

 

 


最終盤、ニコラがアンドレアに父親のことを語るとき、誰よりも愛した弟を「勇敢で寂しげな」、「神々が地上に遣わした最高の英雄」と表現したことで、観客はマッテオがニコラの手から遠く離れていってしまったことを改めて思い知らされる。本の山で心に壁を築くマッテオは兄といるときだけ心からの笑顔を見せ、どんなときも人を笑顔にするニコラは弟のためにだけ涙を流す。そして、どうすれば弟を救えたのかと自責の念に苛まれるニコラは結局、彼は神に呼ばれるべき人だったのだと自分を納得させるしかない。

しかし、アレッシオ・ボーニさんはインタビューで、マッテオは「抑圧された同性愛的傾向」を持っていたと述べている。そして、そのことに家族や周囲の人々が気づいたようには見えないし、観客である私も気づくことができなかった。つまり、マッテオの不器用で直情的な振る舞いや突然の身投げなどの"不可解さ"こそが、いかにこの世界において同性愛的な要素や異性愛規範を逸脱した要素が見えなくされているかを表しているともいえる。父に年頃の女の子を紹介すると言われて迷惑そうにし、幼い妹に結婚するなと言い聞かせ、ジョルジアの熱い視線にたじろぎ、ミレッラには身分を偽ったうえ突然背を向けてしまう…一旦気づいてみればそこかしこに暗示が散りばめてあるのに、それらの点を結ぶことは難しい。
この社会には、異性愛規範によって強固に固められたレールを逸脱してはならないという暗黙のルールがあり、そのルールにどうしても従えなかったマッテオは「変わった人」と烙印を押される。そして、その烙印を「規律を実行する」ことで覆い隠そうとしているようにも見える。マッテオにとっては、兄のように「普通に」生きることはとても難しかった。しかし、その「普通」が異性愛規範に反するものを排除することによって成り立っているという事実は、常に巧妙に隠されている。マッテオは不器用で、うまく人を愛せなかった。だから、全てを投げ出してしまった…そう理解するだけでは、彼について少しも知ったことにはならないだろう。彼は家族を、ジョルジアを、ミレッラを、彼なりの方法で愛さずにはいられなかったからこそ、その愛がうまく届かなかったことに絶望したのではないか。彼がこの世界でうまく折り合いをつけられなかったのではなく、この世界が初めから折り合いがつけられないように作られていたのだ。そのことがいかに気づきにくく、後景に追いやられ続けているかということを、痛いほど突きつけられる映画だった。
Cisaraghi

Cisaraghiの感想・評価

5.0
前編3時間、後編3時間。2日に渡って見たが、長さを全く苦痛に感じることなく見終えて驚く。しかも、全部見終わったらまたすぐ前編を見返したくなる。

おそらく日本人なら、これを見た人の10人中10人が、ちょっとマッテオ!と心の中で叫んだはず。しかし、それに対する答えには不思議と強い説得力があった。

ジョナサンリースマイヤーズを骨太のイタリア人にしてゼウスにしたらこんな感じ?という神話的イケメン、アレッシオ・ボーニさん。イタリアではもちろん大変有名な方らしい。もうこの方のマッテオが実に魅力的で魅力的で…。

長いスパンで時代を背景に人生を描いていること、家族の物語であること、立派な顔をした俳優さんたちのクローズアップが多用されていること、悲劇が織り込まれていること、などにおいて非常にイタリアの大河ドラマ的な映画。原作の長編小説があるのだろうと思ったら、ないという。意外だ。

それにしても、マッテオ以外にも、イタリア版のアルパチーノもしくはダスティンホフマン(ニコラ)、ジェーンバーキン(ジュリア)、マギースミス(お母さん)、ブリヤンカチョープラー(ジョルジア)、落ち着いた大人のリリージェイムズ(ミレッラ)などなど、イタリアの個性的な俳優さんたちの、アップに耐える顔面力がすごい。お父さんも実にいい顔をなさっていた。
 
イタリアの人たちってとても楽しそうで陽気な人々というイメージなのに、映画はリアリズムで物悲しいんだね、といつも思う。音楽も物悲しかった。

兄弟が目指すノルウェーのノール岬はヨーロッパ最北端の岬。二度登場する木造教会は、世界遺産ウルネスの木造教会だと思われる。
No.961[カラーティ家と巡る光と闇のイタリア現代史] 100点(オールタイムベスト)

泣いた。クロニクルものはこれ以上見なくて良いくらい全てが詰まっている。

と、まぁそれだけってのも悲しいから色々書いてみることにする。
まず盛大に陰キャを煽ってくる題名だが、これは原題も似たような感じだから仕方ない。実際に私の青春が輝いていたかどうかを考えてみると"輝き"が何であるか忘れそうになるくらい淀んでいたからこれから輝かせるとしよう。それはそうと、カラーティ家の面々の"青春"が輝いていたかは微妙であるが、実際いつまでを"青春"と定義するかに依るんだろう(ここで、かもめんたるの"青春の永い一日"云々のネタを思い出す)。全体の人生が輝いていたかどうか分かるのは死ぬ間際なんだろうけど、彼らは自らの人生が輝いていたと思うのだろうか。

本作品は1966年の夏から2003年まで40年近い年月のカラーティ家を巡る年代記である。直情的で不器用な弟マッテオと理知的で正義感の強い兄ニコラが精神病患者のジョルジアに出会うところから始まり、彼女に対する社会の不当な扱いを目の当たりにした兄弟はそれぞれ警察官と精神科医になって生き方を模索していく。イタリア現代史に重ねられている部分はあるものの、家族の年代記に対するスパイス程度にしかなっていないのが良い。加えて、イタリアの美しい風景を記号としてではなく生活の一部として扱っているのも好印象。勿論彼らの生活の中に街があるのは当然だが、世界中の世界遺産を使ってインスタ映えだけ考えたアホ映画(「落下の王国」のことね)もあるから、やっぱり好き。

クロニクルものと想い出映画の境界がよく分からなくなってしまったが、本作品はあからさまにセンチに流そうとしているのが潔い。変に芸術感が鼻についたり社会の渦に巻き込まれすぎたりせず、等身大の人々がそこにいるから好きなのかもしれない。

結局、芸術を語る七面倒くさい映画なんかより本作品のような分かりやすい映画のほうが好きなんだろう。まだまだアマチュアなんだね。
n

nの感想・評価

5.0
遂に完走した。五百頁ぐらいある二段組みの小説を読み終えたような、物凄い達成感と満足感がある。

ローマのとある中流階級の家庭の30年を追った大河ドラマであり、学生運動、テロリズム、精神病院改革、マフィアとの闘いといったイタリア現代史の主要なトピックに正面から取り組んだ大作…というだけですでに好みだし、ローマ、フィレンツェ、トリノ、パレルモと舞台を移し、緩急を交えた語りと美しい映像で、6時間超の長尺でも飽きさせない、素晴らしい映画だった。(劇場公開時は某波ホールで上映していたというのはちょっと俄かには信じがたいけど…)

温和で朗らかな兄ニコラと、対照的にナイーブで危うい弟マッテオ、彼らと関わるジョルジアやジュリアやミレッラたち芯の強い女性陣をはじめ、登場人物たちも主役から端役までみな魅力的だった。あの美しい飛躍はずっと忘れられないと思う。

久々にイタリア映画をあれこれ観たくなった。
furafura

furafuraの感想・評価

5.0
長いけど、、ベスト3!
兄と弟とジョルジア。
優しい人ほど不器用で、どうにかしたげたいけどどうにもできない。
大河ドラマ的なんやけど、小さな家族の歴史と、時たま顔を見せる時代。
いろんなシーンが断片的に記憶に残っている。
また観たい。
tenjin6

tenjin6の感想・評価

5.0
当時どうしても映画館で観たかったため、今は無き千里セルシーシアターまで足を運んで鑑賞した思い出。
6時間超の大作ですが最後まで飽きることなく楽しめました。
Tak

Takの感想・評価

4.3
長編青春映画。イッキ見の充実感。ラスト感涙。
『ニューシネマパラダイス』や『ライフ・イズ・ビューティフル』などのイタリア映画が好きな方におすすめしたい作品。
☆☆☆

・上映時間6時間14分
・鑑賞希望者は、鑑賞希望の3日以上前に電話連絡
・更に当日整理券を配布
・一日一回上映
・「夏休み期間及び休日は予約が満杯です。」

それじゃ何の為の前売券発売だったのか、岩波ホールの理不尽な対応に怒りを覚え評判の高かったこの映画の鑑賞は諦めていたのだが…。今回一日一回の上映+一部・二部を夜7時から日替わりで[レイトショー]として上映してくれた【下高井戸シネマ】さんに感謝します。

【第一部】
☆☆★
とにかく登場人物に魅力を感じない。その為に感情移入が出来ず退屈極まり無かったのが正直なところだった…。
【第二部】
☆☆☆★★
再び退屈な時がただ過ぎて行くばかりだったのが、突然‘ある出来事’が急転直下起こり…ここからラストまでは‘あっ’とゆう間の面白さであった。
総ては最後に向けてパズルが嵌まるまでに延々と4時間近い‘前フリ’だった訳なのだ!

イタリアの近代史を背景に、家族愛・親子愛・夫婦愛・兄弟愛・友情を余すところ無く描く。
第二部は面白かったもののそれも第一部を観ていたからで、その意味では前フリの長さには理解はするが全編を通じての平板な演出やどこか不親切な編集は好みでは無く6時間14分の長さに耐えた自分を思わず褒めてあげたいと思ったのだった(笑)

(劇場鑑賞/下高井戸京王/日時はメモを調査中)
beplum

beplumの感想・評価

3.8
6時間越えの超大作。あまりにも長いが人生というドラマを、家族という舞台を映像化するにはあまりに短い。
大学から老年までのニコラの視点でイタリア人一家の家族史を辿る。
大学生の奔放な旅行、そこで出会った精神病のジョルジアとの出会いがニコラとマッテオの兄弟の未来を変える。
ぶっちゃけ長くて集中力は続かなかったが、人は遺伝子の方舟であってゆく河の流れは絶えず、流れてゆくのが人生だなと思った。イタリアで育ってたら土地勘もあって楽しいだろうなと思った。
終盤の森の小径で兄弟が肩を抱くシーンは柔らかな照明も相まってとても美しくて好きだった。
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