垂直落下式サミング

クライシス・デイの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

クライシス・デイ(2012年製作の映画)
1.5
1000年に一度の巨大な太陽フレアが生じたことによって地球の電送網がダウン。危機に瀕した人類は生き残るためにご近所さん同士で寄り合い助け合おうとするのだが、その共同体のなかでトラブルがおこるというおはなし。
パニック映画から見所をなくした感じの作風で、ある意味割り切って作られているのでストーリーに澱みはない。
異変が起こってからは、何やらシェルターに籠った政府機関の高官たちのすったもんだと、住宅地に暮らす一般人のサバイバル生活を交互に描くのだが、コレが直接交差してオチになるでもなく、何か目に見えるハプニングが起こるわけでもなく、物語は粛々と終わっていく。大統領たちにひとつ言えるのは、アンタ等まず一旦外に出て新鮮な空気吸って落ち着こうよ。そんなに籠りっきりじゃいい案も浮かばないでしょうに。
ラストで黒いレザースーツで身を固めた男が車に乗り込むという場面で物語は幕引きとなり、世紀末の世だからこそ「どんな時も強くあれ!」とマチズモ思想を肯定し、男性性の象徴のようなアメ車がフューリーロードを走り去っていく。まぁ、なんかホップズが言うところの自然状態の到来ってやつを描いてるんじゃないの。知らんけど。
オープニングの太陽フレアの映像に重ねられるロック楽曲がかっこよかったので調べてみたら、クソ売れてねえバンドだったのはショックだった。

この映画では太陽系の周期的に1000年に一度のペースでこういうことがあるそうだが、個人的に「非常に希な」という意味合いで使われる「○○年に一度」という表現は大嫌いだ。その事象は過去にあったか?今後確実にそのスパンであるのか?確証がないのに使うべきじゃない。