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HiGH&LOW THE RED RAINのチルのレビュー・感想・評価

HiGH&LOW THE RED RAIN(2016年製作の映画)
1.2
雨宮兄弟のスピンオフ。その企画には何の勝機も、策も、アイディアも無かった。残念としか言いようがない。見るべき要素が見当たらないクソ映画。2016年ワースト級。

THE MOVIEのハチャメチャな世界観はほとんど踏襲されず、代わりに取り入れられたのが「父の敵であるヤクザへの復讐」という地味で古くてダサすぎる物語。

ドラマの1話で片付けてくれるならまだしも、長編映画1本をこのネタで乗り切ろうとするセンスがヤバすぎる。

ショボいネタを膨張させるために、下手くそな回想シーンの連発で尺を稼ごうと必死。

「長男が九龍グループにいた」という唯一のサプライズ展開さえも過去の話として語られるから、「復讐のための潜入だった」というネタバラシ展開がものすごく軽く語られる事になる。「へー、そうなんだ」としか思えない。脚本家ってそういう部分で仕事する人ですよね?

雨宮兄弟が長男と再会した瞬間、長男はすでに敵のラスボスと対峙し、ヤケクソになっている。20-30人の兵隊を前に、真正面からボスを撃ち殺そうとする。アホすぎる。

死を覚悟して突撃する様で感動させたいのなら、前の段階でもっと真剣に戦ってくれ。無策にもほどがあるぞ。

前作で驚きを与えてくれた先進的なカメラワークも無いし、個性に満ちたアクションでキャラクターを色分けしていたアプローチも皆無。絶対的に評価されていたシリーズの武器をなぜ捨ててしまうのか?

雨宮兄弟vs数十人のヤクザ(拳銃持ってる)の乱闘シーンでは、匠馬敏郎プロデュースと思われるゼロレンジコンバットっぽいアクションが見られたのですが、なにしろカメラワークが下手でアクションの凄みをスポイルしまくり。見ていてムカムカしました。

無造作なワクワクに満ちたTHE MOVIEと比べると、本当にしょうもない続編でした。映画をなめないでほしい。
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