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新感染 ファイナル・エクスプレスのbluemercenaryのレビュー・感想・評価

4.3
検問で止められた一台のトラックが除染される。
近くの施設から漏れた物質が云々・・・と云う役人の説明を聞かされた車が跳ね飛ばした鹿。
その鹿が行き返ったところから物語が始まった。

仕事第一のファンドマネージャー、ソグの家庭は崩壊していた。
母親に会いたいとせがむ一人娘スアンを送り届けるために釜山行き特急に乗り込んだ。

列車の発車直前に飛び乗った一人の女性。―― 彼女が感染してゾンビに変化した。
あっという間にパンデミック ―― 列車内は大パニックとなる。

いち早く異変に気が付いたソグは娘を連れ、サンファとその妻ソンギョンらと安全な車両に逃げ込む。
その最中、ソグはゾンビが耳目に反応して行動する事に気が付いた。
"無事"な人間達は車内テレビで全土がパニックに陥った事、自分達が乗車している特急の行先、釜山の安全は確認されている事を知る。



絶望を目の前にした人間達。
 ――僅かな可能性に希望を見出すのか。
 ――エゴむき出して利己主義に走るのか。

密室劇で必須な或る意味心理戦的な部分と、疾走する列車に比例する展開のスピード感のバランス。
そのバランスの妙が冴えたサバイバルアクションはまさしく"手に汗握る"ドラマ。
絶句と憤怒な終盤の展開は"最期"の"最後"に凄い伏線の回収を用意してた。
兎にも角にも凄い作品だと思う。
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