つのつの

新感染 ファイナル・エクスプレスのつのつののレビュー・感想・評価

3.8
往年のゾンビ映画、パニック映画のオマージュに溢れてる。
そこに自覚的なのが本作の偉いところ。
その証拠にアクションシーンにもどこかコミカルなテイストがある。
また全編夜のシーンはほとんどなく真っ昼間にゾンビと戦っているのも辛気臭くならずに済んでる要因だと思う。
だからしらけることのないまま楽しめる、安心して観れる作品。

それでいて伏線の回収とかも(ベタではあるが)丁寧にやってくれてるし、前半のまだ何も始まってない場面でも不自然なほど自然音を入れず役者のセリフのみをぼーっと響かせることで今後の展開を不穏に暗示していたりと演出がいちいち気が利いてるのも好きなところです。

ということで概ね満足ではあるのですが、終盤にかけてウェットになり気味なのは流石に否めませんね。
ラストのホワイトハウスダウン的なアレも唐突じゃね?
作り手が泣かせにかかろうとしてる姿勢が、途中までのコミカルなテイストがあった分余計に際立ってる。
あとは皆言ってることですが、ザマァが足りねえよ!
終盤で色々と不備が出てきてしまっててるせいで鑑賞後の余韻が削がれてしまったのは惜しいなと思います。

ただあくまで楽しいゾンビ映画を観に行く分には十分な出来ではないでしょうか。
それこそ今年で言えば「ライフ」みたいに手軽に楽しめるジャンル映画としては合格点ですよ!
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