Garu

新感染 ファイナル・エクスプレスのGaruのレビュー・感想・評価

3.9
新幹線は絶対協力してくれないだろうなぁ

もういくらでもあるゾンビ映画だが韓国が舞台だと不思議と新鮮。
ゾンビ映画ファンの人達がどう思うかはわからないが、電車と言う密室での展開や、例えばトンネルを通る事によってスリルある状況を作る独自ゾンビルールなど、良く考えられていると思った。

主要登場人物のキャラもわかりやすく上手に紹介してくれる。
こういう映画では一番大事だが、他の映画でも数人の主要キャラを紹介する部分の描写は作り手の実力差が出ると思う。

それぞれの人間ドラマもしっかりあるので、最後に誰が残るのかも予想が付きにくくいし、最後にはまさかの感動するような展開にも。

大人と子供、親と子や、親になろうとしている者、さらにはまだ社会に出ていない若者や、社会的成功者とホームレス。
電車と言う公共の場所で繰り広げれられるまるで社会を揶揄しているような物語が素晴らしい。そこにゾンビ。
個人的には序盤子供に対して父親が「…優先しないと」の話をするシーンが最後まで印象的に残る。

電車の中でゾンビが襲ってくると言う一見ベタなB級展開しかなさそうな話をすごく丁寧に考えて作った傑作だと思う。
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