ハイクオリティなゾンビ&父親映画!!
近年稀に見るハイレベルなゾンビ映画。一種のジャンルムービーかつお約束を取り入れつつもしっかりと見せる部分では魅せる作品に仕上がっていた。
とにかくキャラクターの出来が素晴らしい。出てくる脇役が本当にクオリティが高く、説明台詞なしにキャラクターのバックボーンを見せてくる。例えば野球部の遠征とマネージャーの一連の絡みなど……
特にその中でも主人公の父親っぷりが素晴らしい出来栄えだった。エリートで、普段から子供とは仲があまり良くなく、仕事一筋なところから子供を命を賭けて守る父へと変貌を遂げるところなど素晴らしい。
また、その他のキャラクターも見れば一目瞭然で、良いやつかどうか分かるゾンビ映画ならではのキャラクターずけがされておりここが、意外と上手く作られていて一番怖いのはパニックになった人間という部分もしっかりとこなしている。
それでいて、横スクロールアクションのような新幹線でのゾンビとの格闘&逃走劇が素晴らしく、暗闇が弱点という面白いアイデアで見事に魅せていた。(新幹線での暗闇と言えばトンネルを使った演出)
また、脚本的にもかなり見やすい構造になっていて、本当に出来の良さを感じられる。
それでいて、ラストは感動までさせられ、本当によく作り込んである。また、最後の最後の演出も納得のエンドで本当に上手い。
ジャンル物故の歪さがあるため、欠点や矛盾や誇張があるため評価は少々下がるが、本当にクオリティが高かった。