No.2628
パニック映画の楽しみ方って、大体3つある、と私は思っています。
1つ目は、「パニックそのもの」を楽しむこと。ゾンビのクオリティ、スプラッター表現、感染の仕方の恐怖感。
2つ目は、「大切な人をどうやって守るか。親子愛、家族愛。恋人を、自分を犠牲にしてでも、守ってみせる!」をどう描くか。
そして3つ目が「パニック物に必ずいる "自己中心エゴイスト野郎" にどう対峙していくか問題」
この映画で僕が注目したのは、現在のコロナの状況もあり、やっぱり3つ目なんですよね。
というか、バス会社の常務のジジイが、エゴイストの権化として出てくるので、嫌でも注目せざるを得ない(笑)。
で、そうすると、このエゴイスト胸糞野郎どもに散々苦しめられてきたけれども、あぁ、このラストならカタルシスもちゃんとあってよかったぁ!!
となってくれればいいんだけれども、私にはそうはならなかった。
胸糞感のほうが遥かに大きい。
エゴイストによってもたらされた受難と犠牲の大きさからしたら、このラストぐらいでは救われないです。。。
しかし、本国では大ヒットした、ということですから、
ゾンビが何のメタファーなのかは、彼ら韓国の人は大体察していて、要はそれぐらい危機感を持とう!
という製作者・監督の意図が伝わった、という意味では、成功作なのでしょう。