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ジャック&ローズのバラードのmasatのレビュー・感想・評価

2.5
自然との共生を夢見た70年代の生き残りコミューン・ヒッピーの父。
その父を愛し、共に社会から遠く離れた場所に暮らす娘。
それぞれが、子離れ、親離れできない父子家庭の末路・・・とでも言おうか。

レベッカ・ミラーは、なかなかのコンセプトと視点で、毎回、何かに挑んでいるのだが、押しが弱く、どことなく物足りない。
女性の感覚を武器に、これほど時代の先を行こうとするのに、無冠なのは、拘りの一手、観念性にいま一歩欠けるからだろう。
ダニエル・デイ・ルイスの力を持ってしても演技賞を筆頭に賞レースに一切絡まないのは、そのパンチに欠けるところ。“ギャング”と“石油王”の間に位置する円熟絶頂期の彼を持ってしても・・・なのだ。

ただ、この主演とこの監督は、新たなステージに上り詰めたので、それはそれで幸せの結晶なのかもしれない、本作は。
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