マクガフィン

スプリットのマクガフィンのレビュー・感想・評価

スプリット(2017年製作の映画)
3.4
少女3人が多重人格な犯人に閉塞的な部屋に拉致監禁される、美少女と野獣の密室劇。

犯人は次々と人格を変えて彼女たちを脅したり、助けようとする演出は巧妙で面白い。23番目の人格までは終盤に向けてのトリッキーな前置きで、ビーストと名付けられた24番目の人格がストーリーの焦点。多重人格を見事に演じ分けるジェームズ・マカヴォイの怪演は秀逸。

24番目までさんざん煽って如何にも胡散臭い展開なのだが、超人的な24番目の人格の誕生で一気にストーリーが暴発する。24番目の人格は、賛否両論あると思うが、解放される狂気が閉塞的な空間と対比的に思え、シャマランならではの趣向が冴えわたる偏屈な展開に。

「シャマランだから」に結集する作品で難しく考える必要はないだろう。
新規シャマランの人は驚かせることが好きな変人監督が作った作品と思えばよい。

続編も決まったようだ。求めるのはシャマランらしさのみ。