数人の男女が部屋に縛られ、質問に嘘を答えると殺される話。
非常にハイレベルのつまらなさで感心した。
冒頭の自己紹介のくだりとか、「これを人数分見せられるのか…」と、数秒後からの展開を予想してゲンナリし、予想したとおりそれを数分間見せられるという拷問方式。
起きる前から恐怖を予測させてドキドキさせる、って見せ方はよくあるが、起きる前からつまらなさを予測させて絶望させる、って見せ方はなかなかない。
パッと思いつくのは「死霊の盆踊り」だが、この作品はそれと同じ手法を短い時間の中で再現しており、つまらないストーリーをよりつまらなく見せることに成功している。
つまらない以外にも、「この後こいつが叫んでうるせーって不快になるだろうな」という予想にもしっかり応えるスタイルで、観ていて非常にイライラできた。
更に素晴らしいのは、「質問に答えられないと死ぬ」というストーリーでありながら、質問者の言葉が全く聞き取れない点。
先生への質問は数回巻き戻して聞き取れたのだが、キャバ嬢への質問は何度巻き戻してもまったく聞き取れず、その後の質問を理解することを断念した。
その判断は正しかったようで、その後の質問もほとんど聞き取れず、話も結局何がしたかったのか説明すらなく。
限られた人生の貴重な時間を無駄に投げ捨てた背徳感にドップリ浸れる痛快作。