デパルマ

日本人のへそのデパルマのレビュー・感想・評価

日本人のへそ(1976年製作の映画)
2.5
吃音の俳優たちが演じる「ヘレン天津」の半生は、言葉遊びと人間のおかしみに満ちた音楽劇。自分の言葉では吃るが、他人の言葉では吃らない。歌を歌う時も吃らない。とする大学教授の定説はあながちハッタリではないのだ。吃音症治療のための演劇の上演が始まり、吃音の俳優たちはスラスラと話し始める。しかし「綺麗だなあ」などと本当の感情を持ってしまうと吃ってしまい、進行役の大学教授が舞台に割って出てくるという仕掛け。美輪明宏は5人ほどのゲイに惚れられているヤクザの役、緑魔子もレズビアンに言い寄られている。そして最終的に男優のほぼ全員がゲイであることが判明する。ゲイは社会の中で芝居をして生きなければならない。自分の言葉で話せない点では、吃音症も同性愛も同じだと言うことか。なんて強引に解釈させてしまう余地がある。かくいう私も吃音症でかつて舞台俳優をやっていたりしていた。演劇で吃音が治るかどうかは分からない。けれどひとつだけ言えることは、身体性のない演劇はた、た、たたた、退屈。
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