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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だのYossyHOMMEのレビュー・感想・評価

5.0
「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」
問十二、夜空の青を微分せよ。街の明りは無視してもよい(川北天華)
という短歌がある。もちろんこの2つ作品には何の連関もないが、この映画を観たときこの短歌を思い出さずにはいられなかった。この短歌に対する様々な解釈はネット上で挙げられているが、
"数多ある微かな星の光に目を凝らせ。けれど、どれを選ぶかはあなたに任せる"
と解釈するのが、この映画には一番しっくりくるように思える。未来という不確かな言葉ではなく、小さな光でもいいから今、この時を照らすもの。日々に生き辛さを感じながら、それでも誰かに"会いたい"と思えるのは幸せだし、信じられる確かな希望だ。
なにか起こりそうな予感と"どうでもいい奇跡"が詰まった108分。今、現代東京に暮らす生活者として感じるものがないわけない。観て聴いて内容を追うのではない。自分を、東京という都市を見つめ直すため映画。
2017年、東京を描いた最上のルポルタージュであり、この映画の前ではどんな恋愛映画も霞んでしまう
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