どらどら

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だのどらどらのレビュー・感想・評価

4.8
-都会を好きになった瞬間、自殺したのと同じだよ

一千万人が生きている東京
でもきっと誰もが窒息している
そして、息をしているふりだけ上手くなっていく

-愛って言葉を使うと口から血の匂いがしない?

悪い予感だらけの日々
窒息して死んでいく人ばかり
遠い地では今日もたくさんの人がテロで災害で病気で死んでいく

半分の世界で、
半分も見えなくても、
探している答えは見つからなくても、
“何かとてつもなくいいことが起こるかもしれない”
その予感に身を任せて

東京で、息をする

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最果タヒ×石井裕也×池松壮亮×石橋静河
生きづらさを抱えて今日を生きる、全ての人への手紙のような映画だ

密度と純度が高すぎて、息もできない108分
でもきっと、この映画を観終わったとき、僕は夜空の青さに気がつく
“夜空はいつでも最高密度の青色だ”

おそらく誰しも抱えている悪い予感
それに光を当てた現代の古典であり、永遠の青春映画である。

彼らの繊細さは僕の繊細さだから
この映画をクサいという人は笑えばいい
なんならそれが多数派なのかも知れないけど
きっとこの映画を必要としている人がたくさんいるからこそ、数々の賞を受賞したのだ

詩集を映画化するというチャレンジングな作品
しかし、最果タヒの世界観を見事にスクリーンに映し出し、新たな意味をも付与された傑作だ
どらどら

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