tanzi

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺんのtanziのレビュー・感想・評価

4.5
今年の暫定ベスト1、きました。

この映画のシンプルさはベタ塗りという手法やストーリーに現れている。でも、それがいいのよ!
驚くほど雄弁で繊細な絵!空の色のなんと鮮やかで柔らかいこと。そして単純に見える絵なのに人物の内面までこちらに伝わるきめの細かさは一体どこから来るのでしょう。

19世紀のロシア。敬愛する祖父が北極点を目指して行方不明のまま。彼に愛された孫娘が家出をしてまでその行方不明の船を捜す。もう、たったそれだけ。なのにこんなに胸が熱くなり興奮しています。

なんだこれ、なにもかも最高すぎる。19世紀の帆船で向かう北極。流氷や氷山の恐ろしさ。ロシア人ならではと思えるような雪の表現。音楽少なめの環境音。そしてイッヌ!!

先日の『ディリリとパリの時間旅行』といい、今年のアニメは豊作。お子さんのいる方は是非ご一緒に見ていただきたいです。きっと誰しも勇気を持って冒険に飛び込んだサーシャに憧れることでしょう。

ロシア映画かと思ったらフランスデンマーク合作で原語は仏語。日本語吹き替えもあります、

教科書でアムンゼンの話に胸ときめかせた事を思い出したよ。クライマックスの奇跡には涙を止めることができませんでした。

行って帰ってくる映画にまたひとつ傑作が。
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