全国おにぎり協会

花に嵐の全国おにぎり協会のネタバレレビュー・内容・結末

花に嵐(2015年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

ラスト12分からようやく面白く感じられた。それまでの60分間はひたすらに不快だった。
素人が撮っている感じを出すためのあえての稚拙さだと思うが、手ブレと主人公の撮りたい題材が特にない故のまとまりの無さ等がひたすら退屈かつ気持ち悪い。カメラ固定って大切なんだなと感じた。感情の揺らぎを表すための手ブレ表現は好きだが、無意味な長時間の手ブレはただ気持ち悪い。
「やり方が分かるからやるんじゃないでしょ、やりたいからやるんでしょ」という言葉自体は良いものなのだが、この言葉をもらっている主人公にやりたい気持ちがあまり無いので虚しく感じる。
古谷先輩が「お前の世界の見え方を映画に撮るんだ」と教えてくれているのに、主人公は世界をぼんやりと見ているのか、カメラぶれたり不必要なズームを繰り返したりする。「暗い場所では赤外線をつける」という別の先輩の教えも覚える気がないようで、撮りたい気持ちが感じられなくて残念。「やばい」と感じながらも泥棒や盗撮をなんとなく完遂できてしまう主人公の倫理観にも結構引いてしまう。自分の軸が無いんだな…。

ラスト12分で流れ始めた先輩の作品はさすがに上手で面白そうだなとわくわくした。フォントも映像に合っている。そこからの主人公視点への移行。急にテイストが変わって少し笑った。フォント選び大事。
花束もって砂浜を歩いているところの、光の範囲で境界が引かれている感じは好き。

撮ることに興味を持てたので今後も撮っていきたいというラストなのかな。
最後でぼんやりテーマが分かった気がするし、そのためのあえての最初の60分だとは思うが、人に見せるための編集をもう少しして、時間も短くした方が良かったんじゃないかなと個人的には思った。
意図が伝わる前に離脱してしまう人多そう。

自分が撮る・編集する際はここを気をつけようと感じることの多い、教訓になる作品だった。

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映画の亡霊のジャンルミックスさを楽しむべき作品だったのか。