チーズ蒸しパン

ドリームのチーズ蒸しパンのネタバレレビュー・内容・結末

ドリーム(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

NASAのマーキュリー計画を成功させるために日々奮闘する女性達の話。人権問題、人種差別と闘い続けたアメリカであった本当の出来事を描いている。
白と黒、男と女、黒人女性達はいつもどうしようもない壁にぶつかる。

3人の黒人女性、ドロシー、メアリーキャサリンは皆NASAで働く優秀な社員である。黒人だけが集められた、東計算係で日々働くのだが、肌の色のせいで昇進できず、やりたい仕事ができない。
幼い頃から天才数学少女とみなされてたキャサリンはハリソン(ケビン・コスナー)が率いる宇宙特別研究所に配属されることになった。
そこでは黒人用のトイレはなく、黒人用のコーヒーもない。しかし、このやりづらい職場でも与えられた仕事をこなし、天才数学少女の腕に皆驚き、一目置かれるように。

宇宙へ有人飛行をロシアに先を越され、NASAはよりがんばって研究に力をいれる状況になる。キャサリンももちろん今まで通り色んな数式を解いて貢献しようと努力する。ある時、職場に長時間いなかったため上司のハリソンに怒られる。彼女の入れるトイレは今の部署には無いのだ。元いた東計算係にしかないのだ。肌の色のために起きた不便さをハリソンに怒った。様々な差別を受け入れるから用をたすのにした多少がかかるのを許してくれと。涙の訴えであった。
すると、ハリソンは黒人用と書かれたトイレをハンマーでぶっ壊した。これでもう黒人用トイレも無ければ白人用トイレも無いと。「NASAでは小便の色は同じだ」。このシーンは泣きそうになるカッコイイシーンで、このセリフが個人的に好きでした。


エンジニアを目指すために白人用の学校に入るメアリー。管理職になれないドロシーがプログラミングを勉強しIBMを使えるようになることから道を開いていく姿。

彼女たちの苦労はまだまだ他にもある。こんな事が昔は本当にあり、今もどこかであるに違いない。差別はよくないなんてことは当たり前だけど正直皆理解してない。私自身も偏見を持ち差別してしまう事がある。国家の大きな夢の成功の裏にあったこの黒人女性達の苦闘を強く感じられる作品でした。