最初から最後まで映画としての完成度がメチャ高い。
科学と技術の先端であるNASAですら、当時は黒人差別・女性差別があったというところに差別の根の深さを感じさせる。
白人男性の集団の中に黒人女性が入ったときの視線が絶妙だった。
白人側は悪意から差別しているわけではなく、そういうものだからという習慣に従っているだけなのがよく表現されている。
主人公3人のキャラクターも良い。
ユーモアがあり、常に困難を乗り越えようとする姿勢と利他的な行動、そして実際に乗り越えるところにカタルシスがある。
彼女たちの能力を認める上司や判事たちにもグッとくる。
繰り返されるトイレのエピソードも、排泄は人類共通の生理現象なので共感しやすい。
ソ連という敵国がいることで偏見を超えて手を取り合えるという構成だが、皮肉も感じる。
未来永劫、常に共通の敵を作り続けないと、協力できないのかと。