1987年にイギリス・アメリカでつくられたリチャード・アッテンボロー監督作品。南アフリカ共和国のアパルトヘイトに立ち向かった黒人活動家スティーヴ・ビコと彼を取材して友情を育んだ記者ドナルド・ウッズの原作を基につくられた社会派ドラマ。
最初ビコを演じているのがデンゼル・ワシントンって気づきませんでしたよ。見事にビコでした。デンゼルといえば『イコライザー2』で読んでいたタナハシ・コーツの『世界と僕のあいだに』なんですが、もう87年の段階でこういう役をやっていたのですね。そりゃそうだよなぁ。
にしても前半と後半でまるで違う映画を見ているようでした。ほとんどお話をぶっ壊してしまうかのような乱暴なやりかたにいくぶん驚かされましたが、あそこでああすることで南アフリカって国の当時の酷さを見る者に焼きつけたかったのでしょう。
ゆえに後半は単純な逃走劇になるんですが、小心者かつ単純な私はハラドキさせられました。またエンディングは映画でしかできない強いメッセージも。まったくなにをビビってんだかね白人権力者さんたち。しかしそれは人種関係なく権力者ってのはかならずこういう悲劇を繰り返す……。