たむたむ

遠い夜明けのたむたむのレビュー・感想・評価

遠い夜明け(1987年製作の映画)
3.5
【人は変われる】

南アフリカ共和国のアパルトヘイト問題に立ち向かった黒人運動家を取材した実在する記者の実話手記を基に、リチャード・アッテンボローが製作・監督した重厚な社会派ドラマ。BSにて鑑賞。

デンゼル・ワシントン扮する黒人運動家スティーヴ・ビコは、すべての人種が共存可能な社会を目指すため、黒人の劣等意識を変えていくことが必要だと説く。ビコの思想に理解を示し、支えようとするケビン・クライン扮するウッズ。そんな矢先に起こった悲劇がウッズを奮起させます。

前半はウッズとビコの交流を軸とした人種差別問題の実態が描かれ、後半は真実を訴えるべく国外脱出を図るウッズ一家の動向が描かれる。主要人物2人分の人間ドラマを詰め込んでいるもんだから、尺もそれに見合うボリューム(^^;;

本作の製作・公開は1988年。1990年2月まで南アフリカでは人種隔離政策(アパルトヘイト)が行われたので、当時はいつ収束するか分からない状況だったと言うことになります。それを踏まえると、邦題が暗い情勢を上手く表しているよう。

原題は「cry freedom」直訳すると「泣く自由」。
なんと哀しいタイトルでしょうか。。こんな差別が30年くらい前まで実際に行われていたなんて。
エンドロール直前に映し出される、膨大な人数の死亡者名と公に発表された死因リストが、1番の衝撃だったかも…首吊り多過ぎ。。(((;°Д°;)))

どう死ぬかを考えて生きるよりも、どう生きるかを考えながら死ぬほうがましだ。
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