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遠い夜明けのaiのレビュー・感想・評価

遠い夜明け(1987年製作の映画)
3.5
南アフリカ共和国のアパルトヘイトに勇敢に立ち向かった黒人運動家スティーヴ・ビコ。そしてビコを取材し世界にアパルトヘイトの実態を命懸けで訴えた白人記者ウッズ。

前半は歴史ドキュメンタリーとして、南アの悲惨な状況と、ビコが殺されるまでの生涯を描いている。
こんな制度が20世紀終盤まで残っていたという事実と、史上最悪の制度を作り出した人間の愚かさと怖ろしさ。
そして後半は、白人記者ウッズの命懸けの亡命劇。
文面だとストーリーとしては緊迫感あるものだが、後半の亡命シーンは必要なものであるが長過ぎて、結局は何を描き訴えたかったのかがわからなくなり、商業映画としては良いが、後世に残る映画ではなくなってしまったように思う。
最終的には、『白人記者が無事南アフリカから亡命を果たした。勇敢な白人記者だ!』と、人種差別と戦ったカリスマ黒人運動家から、勇気ある白人記者への賞賛に焦点があてられたように感じたのは否めず。

エンドロールはアフリカ国家をBGMとし、不審な死を遂げた反アパルトヘイト運動家たちの名前や没年と享年、また政府発表の死因が流れ、この映画の重さを前半同様痛感できるが、映画は後半からラストに何を残すかが大切で非常に難しいと改めて思う作品だった。
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