緩やかさ

マイ ビューティフル ガーデンの緩やかさのレビュー・感想・評価

3.5
独特なムードの映画。
登場人物一人ひとりがすごく独特。
考えないで感じるタイプの作品だと思う。

口の悪い頑固な老人のアルフィー。
容赦なく間断なく悪態つくタイプ。

最初は取り付く島もないほどにベラのこと罵倒しまくってたのに、、
途中からいきなり全開放になってグイグイくるの微笑ましかった笑

彼女のガーデン資質をはじめから見抜いていたってことになってたけど。

こういう、血縁を超えた結びつきに弱い。
師弟関係だと特に。


ヒロインのベラ。
この感じは女性として好きな感じ。
佇まいに憂いがあって、近くにいたら、まあ気になります。
実は結構明るいんだけど。

ヴァーノンが最も不思議キャラ。
料理人って呼ばれてるけどお手伝いさんだよね、凄腕の。
線は細いけど強い父性を感じる双子のパパ。

ビリーはちょっと苦手なタイプだけど、善良でキラキラしてるからまあいいか。

冷静に考えると、アルフィー老人とビリーの家が資産家で、その財力で成り立ってる美しい庭ではある。鳥の発明も、ルナのお話も。

ではあるが、ベラの心が開いて幸せになって、こちらも明るい気持ちになったからこれでOK。


わるい人が一人も出てこない映画が好き。

私の好きな「ブルックリン」にも一人だけ、アイルランドにわるいやつがいるんだけど、
本作では結構やなやつだった図書館の上司がラストカットで(笑笑)も良かった。


原題は<This Beautiful Fantastic>なんですよね。
原題の方がしっくりくる。なんかかっこいいし。

マーケ的にこの邦題に変えたのもわかるけど、映画から伝わってくるものはちょっと違うんだよなー。

「ホワット・ライズ・ビニース」がありだったら本作なんか全然原題でいいと思う。


最後まで見終わってから、街で偶然遭遇したシーンの、彼のビジュ(服装と顔)を思い出すとジワる。
緩やかさ

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