TaiRa

否定と肯定のTaiRaのレビュー・感想・評価

否定と肯定(2016年製作の映画)
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ユダヤ人歴史学者がホロコースト否定論者と法廷で争った実話。イギリスは何故か被告側に立証責任があるので主人公はホロコーストが起きた事を証明しなければならない。

主人公が一貫して何もしない/出来ない法廷劇で、映画にするの地味に大変だったと思う。主人公と弁護士たちとの間でいくらかドラマを作ってるけど。あと裁判自体を知らなくても、観客の多くは結末が分かってるしね。それでも法廷のシーンは面白く出来てた。揚げ足取りと話術で戦って来る相手に、着々と事実の証明をして行く。テンポが良いのもあって観やすい。事実を否定する人間には、付くべき嘘が多過ぎる。嘘を平気で言うのも法廷では弱点になる。こういう奴は多いし、最近増えて来たとも思う。製作開始時期は詳しく知らないけど、期せずしてトランプ時代を象徴した映画になった。日本も他人事じゃないし。

ポスターの写真、分かりやす過ぎる気もするけど良いと思う。真実から目を背ける者との戦い。原題のDenialって否定とか否認って意味だけど、克己って意味もある。これが主人公に対する言葉なんだと終盤で分かる。
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